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『秒速5センチメートル』:タイトルに込められた意味

こんばんは。4月もいつの間にか半分以上が過ぎ地元では桜もすっかり散りきってしまいました。秒速病患者として初めて迎えた桜の季節でしたが秒速を見た前と後とでは、世界の何もかも変わってしまったような気がします。

さて、当ブログの本来の目的である考察/解釈を初めたいと思います。第一回は『秒速5センチメートル』というタイトルに込められた意味について考察/解釈していきたいと思います。

以下ネタバレ注意!!

考察、解釈する際に参考にできるものはネットを探せば他のファンの方の意見などを含めたくさん出てきます。そんな多くある『資料』の中で今回注目したのが秒速の生みの親である新海誠監督自らの言葉です、やはり秒速は新海さんが作り出した世界ですから彼の言葉に注目するほかないでしょう。

まず『秒速5センチメートル』というタイトルがつけられた経緯ですが、これは新海さん宛に”お客さま”(ファン?)の方から届いたメールがきっかけみたいです。このことについては2011年に行われたイベント、『星を追う子ども』公開記念 『秒速5センチメートル』上映に出席された新海さんが観客からの質問で答えています。以下をご参考ください:

質問D:(省略).......どうしたら桜の落ちるスピードをモチーフにできたのか、何がキッカケなのかなと。』

新海:キッカケはお客様からいただいたメールだったんですね。10年前にこういう仕事を始めてからメールアドレスをずっとオープンにしていて、時々お客さんが観た感想を送って下さるんです。その中で、ある女性の方が「新海さん知っていますか、桜の花びらの落ちるスピードは秒速5センチメートルなんですよ」と言ってくださったのが、この作品の表題作のキッカケでした。何か格好いいですよね、光のスピードとかって秒速使ったりするじゃないですか。めったに使わない単位ではあるんですけど、なるほど世の中にはそういう単位があるんだなということを改めて思って、その方にメールで「次の作品のタイトルで使わせていただいていいですか」とお断りをして使わせていただきました。
ただ、実際の桜の花の落ちるスピードはもう少し速いと思うんですよ。もしかしたら10センチ、50センチあるのかも知れません、それを承知の上で作ったんですけど。でもタカキにとってアカリの言ったことが本当なのか嘘なのかは全く関係なくて、彼女が語った言葉だったということがたぶん全てなんですよね。なので、そういうニュアンスを込めることも含めて、正しいのか正しくないのか分からない『秒速5センチメートル』という不思議なタイトルにしました。』

少し話がずれますが、工学博士によって流体力学的に桜の花びらの落ちるスピードが検証されたようです。結果、桜の花びらが落ちるスピードは秒速1.4メートル。ただし秒速1.75メートルの上昇気流がおこれば秒速5センチメートルになる”かも”らしいです。ちなみにこの記事は4月1日に発表ですが事実みたいです。

自分も秒速5センチってちょっと短い気もしましたがまさかこんなに早かったとは。でもそんなことはどうでもいいと思います、新海さんも実際はもう少し早いだろと思ってたみいたいですし。ここで重要なのは実際の早さに関係なくタイトルとして響きがいいことそして何よりもヒロインの明里が放った言葉。新海小説で貴樹は『明里のころころした少女らしい声で楽しげにそういうことを話されると、そんなことがまるで何か大切な宇宙の心理のように思える。秒速五センチメートル』と語っています。この事実だけが貴樹にシンクロしていろ多くの秒速ファンにとってもっとも重要なことだと思います。

それにしても新海さんにメールを送った女性はどこで桜の花が落ちるスピードは秒速5センチって聞いたのでしょうか、逆にそっちの方が気になりますね。

さて次は『秒速5センチメートル』というタイトルに込められた想いについて。これはDVD版の特典映像として入ってる監督インタビューを参考にしました。

Picture 51

インタビューの中で新海さんは最初のあたりで『単純に桜の花が落ちるスピードだけでなく他のいろんな速度をテーマにした作品』と語ってます。その後具体的な例や想いなどを詳しく語ってくださいました。以下が『作品タイトルの由来』のインタビュー全文です。

『第一話で言えば貴樹が明里に会いにいく電車のスピードだったり、手紙が届くスピードであったり、メールが届くスピード、または貴樹の気持ちもしくは明里の気持ちがそれぞれに届くスピード、あるいは離れていくスピードなどスピード全体を物語のテーマにしています。ですので端的にスピードだけを表すタイトルにしました。他にももう少し気持ちを込めていて、逆に言うとこの作品が本当に速度だけに絞って書いてるからなんです。ぼくの前作である『雲の向こう、約束の場所』や『ほしのこえ』という作品でもテーマは二人の心の距離だったり、スピードであったりしたのでずっと同じテーマを通底して描いているのですがただ今回の作品に関して言えば逆にそれしか描いていない、二人を隔てる物は何もない訳で、でもどうして関係は変化していってしまうのかを描きたかったんです。第1話で描いてるのは貴樹が電車を乗り継いで明里に会いにいくその電車のスピード、貴樹が明里に近づいていく物理的、心理的スピードを描いていて、第2話では花苗が貴樹との心の距離を自覚してしまうだけの話だし、第3話は逆に貴樹が明里との心の距離を自覚する、それだけの話と言ってしまえると思うんです。アニメーションなんだけれど他に何の要素も入れず、シンプルなんだけど逆に力強い作品にしたいという気持ちを込めて速度だけを表す『秒速5センチメートル』というタイトルをつけました。』

これを読む限り新海さんは誰にでもあり得る人、物、出来事との距離を表したかったんじゃないかと思います。『雲の向こう、約束の場所』や『ほしのこえ』でも主人公とヒロインの間には距離がありました、『夢と現実』、『宇宙と地球』、それらは人間の力じゃどうしようもない距離でしたよね。でも秒速の世界ではでは人間の努力次第ではなんとでもなる距離ですよね、でもなぜか遠く感じてなかなか縮めることができない、私たちが現実世界でのあるあるをうまく描いてると思います。恋愛だけに限らず、例えば目の前にいるのになぜか一言『ごめんね』が言えない。そのたった一言で縮められる距離をもっと遠ざけてしまう。

これって見方によれば人間の心や意志の『弱さ』を表現してるのじゃないかと思います。冷静に考えればどうでもいいプライド、見栄、こだわり、一時的な不安や恐怖などに人は左右されます、でも後になってどうでも良かったことに気づいて後悔します。”次からはちゃんとしよう”と思ってもなぜか同じ失敗を繰り返す、これは恋愛を含め多くのことに言えるんじゃないかと思います。振られるのが怖くて言えなかった『好きという言葉』、でも後になって言わなかったことを後悔する、そんな甘酸っぱい思い出を秒速は思い出させる作品だと思います。

最後に、秒速5センチというスピードが早いか遅いか?私は両方だと思います。短い距離である”5センチ”をとてつもなく早い光の単位である”秒速”で表す、なにか大事なことに近づくときはたった5センチずつしか縮まらないぐらい遅く、逆に遠ざかるときは光のように早い、でも確実に言えること、時は常に『秒速5センチメートル』で進んでいる。


(追伸)
『第一話で言えば貴樹が明里に会いにいく電車のスピードだったり、手紙が届くスピードであったり、メールが届くスピード』って言ってたけど二人はメールはしてないぞ!?

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