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明里はエスカレーターで誰を見ていたのか?

こんにちは/こんばんは。今回はこのシーンの考察です。

一応ネタバレ注意!!

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秒速5センチメートルの最後を飾る『one more time, one more chance』のPVに出てくるシーンですね。このPVに入る直前に二人は同時に『昨日見た夢』について語っています、何年も会ってなくても二人の心はつながてると思わせるような台詞です。

さてこのシーンを見たとき私は貴樹と明里がニアミスしたと勝って思い込んで、『あー、明里もやっぱり貴樹の気配は何年経っても覚えてるんだな、やっぱり明里も貴樹の姿を捜してるんだ』と妄想を繰り広げていました。映画を何回も見直しているうちにこのシーンで貴樹がどこにいるのか気になり一時停止してみました、が、しかし、よーく見てみると貴樹と思われる人物の姿がどこにもいない。いったい明里は誰の姿を見ていたのでしょうか?

自分としてはやっぱり明里が見ていたのは貴樹であってほしいので一応貴樹のいくつかの後ろ姿のシーンを確認してみました。
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最初は真ん中のエスカレーターのボアジャケットの人が貴樹かな?と思いましたが貴樹が着ているのはフード付きなので違いますね。じゃあロングコートを着た貴樹がいるのか?左側のエスカレーターのカップルの後ろに同じ色っぽいのを着た人物がいますが髪型が違います。その他全体を見ても貴樹に髪型に似た人物すらいません。
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ここで明里が見ていた人物の候補が貴樹でないことは確定だと思います。では明里は誰を見ていたのか?ここでもう一人の候補が出てきます、私を含む秒速病の人たちは考えたくないと思いますがこいつです。
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そう、明里の婚約者です。しかしエスカレータのシーンを見てみても”こいつ”と思われる人物は見当たりません、同じく左側のカップルの後ろの人が同じような色のコート着てますが”こいつ”のはベルトがついています。ちなみに後ろ姿に限ってですが貴樹と”こいつ”の髪型が似てると思うのは気のせいでしょうか?やっぱり明里も貴樹の面影がある人がタイプなのかなあ?いやそうであってほしい。

婚約者でもなければ明里は誰を見ていたのか?ここでよく考えてみるとエスカレーターでの明里は婚約者との待ち合わせ場所に向かう途中だと思います、上の写真の服装と全く同じで鞄も持ってますし。ここで考えられるのは明里がエスカレーターで見ていたのは婚約者に雰囲気が似た人じゃないかなと思います、同じ様なロングコート着てる人もたくさん行き交ってたと思うので。ああ、やっぱり明里は婚約者のことしか考えてなかったのかな........貴樹と明里が結ばれてほしいと思う秒速ファンたちにはつらいですがでもこれが現実なのです、っと言いたいとこですがもう一つ候補があります。注目するのはエスカレーターの前後のシーンです、では3枚合わせて順番に見てみましょう。
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私が何を言いたいか予想できました?最初のシーンは歌詞の『.....交差点でも.....』の部分です。このときなぜか貴樹は振り返って何かを見つめます、おそらくいるはずもない明里の姿を捜していると考えられます。次にエスカレーターのシーンでは明里が振り返って何かを見つめます。その後また交差点のシーンに戻り貴樹はまた横断歩道を進み始めます。私の考えとしてはエスカレーターで明里が振り返ったのは誰かを見つけたのではなく貴樹の『想い』を感じ取ったからだと思います。考えてみてください、二人は何年も会っていないのに同じ日に同じ夢を見たんですよ、しかもそれを同時に心の中で語ってたんですよ。明里も渡すはずだった手紙を見つけて貴樹のことを考えていたみたいですし。そんだけ心が通じ合ってる二人なら離れていても明里が貴樹の想いを感じ取ってもおかしくないと思います。あのエスカレーターのシーンはそういうことだったのです、いやそうであると思いたい。以上私の完全な妄想でした。


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『秒速5センチメートル』:結末に込められた意味

こんにちは/こんばんは。今回は『秒速5センチメートル』の結末に込められた意味について考察/解釈していきたいと思います。前回と同様新海さんの言葉を中心にやっていきます。

ネタバレ注意!!

今更言うまでもありませんが私を始め多くの秒速ファンが衝撃を受けたあの結末、あの踏切のシーン。第一話で『理想と永遠の恋』を経験したであろう主人公とヒロイン、いろいろと困難があるだろうけどきっと最後に結ばれて、っと思っていたらあの結末。つらいですがショック療法だと思ってキャプ貼っと来ます。

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ネットで感想など読んでいると『鬱アニメ』、『バッドエンド』と見かけます。確かに"二人は結ばれてその後幸せに暮らしましたとさ、おしまい" みたいな展開を求めていた人たち(自分も最初はそうだった)にとってはバッドエンドでしょう。でも考えてみてください、もし"理想のハッピーエンド" になっていたらここまでこの作品にはまり込んでいたでしょうか?自分はおそらく”ああいい話だな”ぐらいで終わってたと思います、小説読んだりブログで想いを吐き出すまでにはいたらなかったでしょ。この何とも言えない結末、果たしてそれにはどんな意味が込められていたのでしょう?

最初に言っておきますがこの映画を見て何も感じなかったという意見があるのも承知の上で自分の考察/解釈をさせていただきます。

まず東京産業新聞社が運営するオタ女むけ情報サイト『Otajo』の新海さんのインタビューで興味深い一言を見つけました。これは2013年5月初旬、『言の葉の庭』の公開に先駆けてのインタビューでした。新海さんは秒速からの教訓についてこう語っていました。

『...『秒速』には色んな反省があって。もっと「伝わるように」作らなくてはならないと思ったんです。あの作品を観て、「ご飯を食べられなくなった」といった感想もいただくんですが(笑)。自分としては、励ますような気持ちで作ったつもりなんです。』

ちょっ、ちょっと待て、『励ますような気持ち』?

これを読んだとき一瞬目を疑いました、実際多くの秒速ファンが精神的なダメージを受けたこの作品、当の本人は励ますつもりだった?何言ってんだこの人?これがどういう意味なのかもうちょっと深く調べてみました。ちなみ自分は食べるの好きなのでご飯は食べれましたが(笑)確かに他のことに対する欲がしばらくなかったです。

さて前回のエントリーで紹介した2011年の秒速上映会でのQ&Aでほぼ答えになっている回答があります。MCからの『ほしのこえ』、『雲のむこう、約束の場所』、『秒速』のテーマに関する質問について:

『今までも何となく喪失云々みたいな言い方で、お茶を濁して言ってきましたけど、実ははっきりとやりたいことがひとつあって、それは“ロマンチックラブ”を否定する作品を作りたいとずっと思っていたんですね。(省略)...誰か一人の決まった運命の相手と、人生でめぐり会ってその人と恋をして結婚して一生幸せに過ごすっていう、社会学のイデオロギーなんです。(省略).....それはそれで僕も好きなモチーフなんですけど、でも現実世界はもう少し複雑で、場合によっては残酷で豊かなものであると思うんですよね。必ずしも“ロマンチックラブ”の成就だけが人生の幸せではないと。(省略)...タカキとアカリは結ばれないんですね。でも、結ばれないんだけど、だから不幸ということではなく、「“ロマンチックラブ”らしきものをつかみかけた彼らだけど、それを手に入れることはできなかったけれども、でもその先に出て歩いて行こう」という作品をずっと作りたいと思っていて』

その後“ロマンチックラブ”を否定するきっかけは?的な質問に対して:

『キッカケになった出来事で言えば、あんまり僕がモテなかったということなんですかね(笑)。僕がもし初恋の人と結婚とかしてれば、こういう作品は作らなかったんじゃないかなぁって思います。まぁ世の中、初恋の人と結ばれる人の方が圧倒的に少ないわけで、であるならば、“ロマンチックラブ”じゃない作品を作るってことは他の人にとっては何らかの救いになるんじゃないかって思ったんですね。基本的にジブリ作品って“ロマンチックラブ”を強く肯定するタイプの作品だと思うんですよ。(省略).....そのことによって「こう生きなければならないんじゃないか」って思う人がいるんだったら、それは結構きついことなんじゃないかなって思うんです。
気持ちが通じ合うっていうのは大切なことなんですけど、でも通じ合ってそこで人生が終わるわけではなく、そのあともすれ違いとかどうしたって出てくる。それをどうやって乗り越えていくか、通じ合ったと思ったけどダメになってしまって、それでも生きていかなければならないってことの方が長期的に見た時に人生では大事だと思うんです。』

なるほど、ここまで丁寧に説明してくれたら新海さんが『秒速』は励ます気持ち満々で作ったことが理解できます。これを読む限りおそらく新海さんも甘酸っぱい恋愛/失恋経験をしてきたんだと思います、だからこそ叶わなかった恋に対するむなしさなどよく理解してくださってるんだと思います、もしかしたら新海さんも自分自身を励ますためにも作ったのかもしれません。これはリア充(少なくとも恋愛に関しての)には理解できないことですよね。

ここで気になったのが初恋が実ってさらに結婚までたどり着く割合です。調べてみたところいくつかのデータを見つけました、あるソースは1%、もう一つは2.8%。差はありますがどちらも言えることは圧倒的に少ない、少なくとも97%の人たちは初恋とゴールインしないことになります。もし貴樹と明里がゴールインしていたとしたら二人に共感できる人たちはたった3%しかいないことになります、そして残りの97%はおそらく『いい話だ、でも自分には縁のないこと』とあっけなく終わると思います。

そんなロマンチックラブを作品を通して否定する新海さん、彼の過去によっぽどの何かがあったのか?って思うほどです。実際の彼の恋愛観が気になるとこですがこんなインタビューを見つけました。



これは2011年にアメリカで行われた"New York Anime Festival 2011"に新海さんがゲスト出演した時の司会者とのQ&Aの様子です。司会者は新海作品の鬱要素の多い恋愛に触れこんな質問をしました(実際見たい方は15:25あたりです):

I'm going to ask you a blunt question, do you think love is doomed?
(単刀直入に聞きます、恋愛とは不運/悲劇的だと思いますか?)

これに新海さんは"love is not doomed"と英語で返事をし恋愛は叶わない時の方が多いとなどを説明した後『それでもすべてそのときに絶望する必要はなくて美しい物や幸せな物が他にもあるんだよ、って言うことを作品の中で示すことができればその方が共感を持ってくれるんじゃないかと』。

これを読む限り新海さんは恋愛そのものを否定してる訳ではないことが分かりますね。人生は恋愛がすべてではない、他にも幸せな物がある、これってとても重要だと思います。でも若い時の失恋ってやっぱり世界の終わりのような気持ちにもなりますよね、もう何も考えられないくらい。秒速はそんな気持ちを思い出させて、かつ鬱気味にさせる作品だと思います、もちろんそういうつもりじゃなかったんですけど。

さて、新海さんが秒速を『励ましたい!』という気持ちで作ったのはよーく分かりました、少しでも疑ったりしてごめんなさ。でも、それでも秒速はやっぱり切ない、悲しい、こんだけ説明されてもやっぱり。なんで励ますのにあえて悲しくなるようなストーリを作るのか?そこで今度はこんな動画見つけました。



こちらは2013年のアメリカで行われた"Anime Expo 2013"でのQ&Aの様子です。新海さんは秒速でショックを受けた人が多いこと、本当は励ますために作ったと伝えた後こんな質問がありました(4:15あたりです):

why are you trying to use such sad story, try to, you know, cheer us up?
(なぜ悲しいストーリーで私たちのことを励まそうとしてるのですか?)

新海さんは多くの人がショックを受けたのは踏切で貴樹が振り返ったとき明里がいなかったことだろうと説明し、説明しにくいけど彼の中ではあれは決して悲しい場面として考えていわけではないと説明しました。あの時明里がいなかったから貴樹は前に進むことができたと、貴樹の最後の笑顔はそういう想いがあった。なんか分かりきってたことですけど新海さん自身が行ってくだされば少し救われるのは私だけでしょうか?

さて話がちょっとそれたような気がしますのでここら辺でいよいよ秒速の『真の結論』に入りたいと思います。最後もやはり新海さんの言葉で。



これは2011年にアメリカで行われた"Otakon 2011"でのQ&Aセッションです。32:20あたりでとてもいい質問がありました。長い質問ですが重要部分をまとめると:

『秒速はもともと10の短いストーリーがあってその内の3つを選んだと聞きました。残りの7つの未発表ストーリー、漫画版なども含めて新海さんにとっての真の結末を教えてください。後未発表の7つのストーリーについても教えていただけませんか?』みたいな内容です。

いい質問ですね、未発表の7つの話気になります、がしかし、なんと通訳のおじさん『7つのストーリーについても教えて』部分の質問飛ばしています、何やってんだよ、すっごい重要なとこなのに。まあそれでも新海さんから結末についていい答えが得られました、33:40あたりです。

重要部分だけまとめると『観客を映す鏡のような作品』でありたかった、例えば自分自身を貴樹に感情移入させてみるような、だから『見る人によって結論が違う作品になってほしい』と思った。新海さん自身の結論としては小説の中で込めたつもりで、あの踏切で貴樹がすれ違ったのは本当に明里だったのかは分からないけどもし明里だったとしたらそれだけで奇跡、その思った貴樹は前に進むことができた。ちなみに別のインタビューでショックを受けた人に説明するつもりで小説を書いたと語っていました。

秒速を見て、ショックを受けて、独自の妄想や結論を広げた方もいらっしゃると思いますがそれでいいんです。それぞれ個人が考える結論はすべて"正しい”と思います、何より新海さんごそうおっしゃってるんですから。私自身の結論はというと、やっぱり、やっぱり切ないです、ただ悲しいだけでは表現しきれないぐらい、励まされるにはほど遠い作品だと思います、でもそれも”正しい”ですよね、新海さん!?

なんだか考察/解釈というよりただ新海さんのインタビューをまとめただけって感じになってしまいましたね。でも自分なりに秒速への理解が深まったので満足しています。これを読んで少しでも励まされる方がいればうれしい限りです。気になることとしてこれらのインタビューは秒速が公開されてだいぶ経った後ってことです。私の完全な予想ですが新海さんは本当は秒速に込めた想いをあんまり公表したくなかったんじゃないかともいます、見る人によって独自の結論を出してくれたらいいと思ったんじゃないでしょうか。しかしあまりにもショックを受けた人が多かったため本来励ますという意図から外れてしまい誤解を解くためにまず小説をかき、その後少しずつ込めた想いを公表していったんじゃないかと、新海さんの優しさだと思います。ひとつ心配なのが今後の作品で新海さんが“秒速の教訓”を生かしすぎて伝えすぎるということです。新海さん自身は意識しなかったのかもしれませんが秒速は『伝えない美学』を最大限に生かした作品だと思います。

(追伸)
最後のインタビュー動画の1:09:20あたりで趣味について司会者から聞かれました。どうもこのインタビューの一年前に子供ができたらしく子供と遊ぶことが趣味だそうです。いやあいつの間にか新海さんもパパになってたんですね。


『秒速5センチメートル』:タイトルに込められた意味

こんばんは。4月もいつの間にか半分以上が過ぎ地元では桜もすっかり散りきってしまいました。秒速病患者として初めて迎えた桜の季節でしたが秒速を見た前と後とでは、世界の何もかも変わってしまったような気がします。

さて、当ブログの本来の目的である考察/解釈を初めたいと思います。第一回は『秒速5センチメートル』というタイトルに込められた意味について考察/解釈していきたいと思います。

以下ネタバレ注意!!

考察、解釈する際に参考にできるものはネットを探せば他のファンの方の意見などを含めたくさん出てきます。そんな多くある『資料』の中で今回注目したのが秒速の生みの親である新海誠監督自らの言葉です、やはり秒速は新海さんが作り出した世界ですから彼の言葉に注目するほかないでしょう。

まず『秒速5センチメートル』というタイトルがつけられた経緯ですが、これは新海さん宛に”お客さま”(ファン?)の方から届いたメールがきっかけみたいです。このことについては2011年に行われたイベント、『星を追う子ども』公開記念 『秒速5センチメートル』上映に出席された新海さんが観客からの質問で答えています。以下をご参考ください:

質問D:(省略).......どうしたら桜の落ちるスピードをモチーフにできたのか、何がキッカケなのかなと。』

新海:キッカケはお客様からいただいたメールだったんですね。10年前にこういう仕事を始めてからメールアドレスをずっとオープンにしていて、時々お客さんが観た感想を送って下さるんです。その中で、ある女性の方が「新海さん知っていますか、桜の花びらの落ちるスピードは秒速5センチメートルなんですよ」と言ってくださったのが、この作品の表題作のキッカケでした。何か格好いいですよね、光のスピードとかって秒速使ったりするじゃないですか。めったに使わない単位ではあるんですけど、なるほど世の中にはそういう単位があるんだなということを改めて思って、その方にメールで「次の作品のタイトルで使わせていただいていいですか」とお断りをして使わせていただきました。
ただ、実際の桜の花の落ちるスピードはもう少し速いと思うんですよ。もしかしたら10センチ、50センチあるのかも知れません、それを承知の上で作ったんですけど。でもタカキにとってアカリの言ったことが本当なのか嘘なのかは全く関係なくて、彼女が語った言葉だったということがたぶん全てなんですよね。なので、そういうニュアンスを込めることも含めて、正しいのか正しくないのか分からない『秒速5センチメートル』という不思議なタイトルにしました。』

少し話がずれますが、工学博士によって流体力学的に桜の花びらの落ちるスピードが検証されたようです。結果、桜の花びらが落ちるスピードは秒速1.4メートル。ただし秒速1.75メートルの上昇気流がおこれば秒速5センチメートルになる”かも”らしいです。ちなみにこの記事は4月1日に発表ですが事実みたいです。

自分も秒速5センチってちょっと短い気もしましたがまさかこんなに早かったとは。でもそんなことはどうでもいいと思います、新海さんも実際はもう少し早いだろと思ってたみいたいですし。ここで重要なのは実際の早さに関係なくタイトルとして響きがいいことそして何よりもヒロインの明里が放った言葉。新海小説で貴樹は『明里のころころした少女らしい声で楽しげにそういうことを話されると、そんなことがまるで何か大切な宇宙の心理のように思える。秒速五センチメートル』と語っています。この事実だけが貴樹にシンクロしていろ多くの秒速ファンにとってもっとも重要なことだと思います。

それにしても新海さんにメールを送った女性はどこで桜の花が落ちるスピードは秒速5センチって聞いたのでしょうか、逆にそっちの方が気になりますね。

さて次は『秒速5センチメートル』というタイトルに込められた想いについて。これはDVD版の特典映像として入ってる監督インタビューを参考にしました。

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インタビューの中で新海さんは最初のあたりで『単純に桜の花が落ちるスピードだけでなく他のいろんな速度をテーマにした作品』と語ってます。その後具体的な例や想いなどを詳しく語ってくださいました。以下が『作品タイトルの由来』のインタビュー全文です。

『第一話で言えば貴樹が明里に会いにいく電車のスピードだったり、手紙が届くスピードであったり、メールが届くスピード、または貴樹の気持ちもしくは明里の気持ちがそれぞれに届くスピード、あるいは離れていくスピードなどスピード全体を物語のテーマにしています。ですので端的にスピードだけを表すタイトルにしました。他にももう少し気持ちを込めていて、逆に言うとこの作品が本当に速度だけに絞って書いてるからなんです。ぼくの前作である『雲の向こう、約束の場所』や『ほしのこえ』という作品でもテーマは二人の心の距離だったり、スピードであったりしたのでずっと同じテーマを通底して描いているのですがただ今回の作品に関して言えば逆にそれしか描いていない、二人を隔てる物は何もない訳で、でもどうして関係は変化していってしまうのかを描きたかったんです。第1話で描いてるのは貴樹が電車を乗り継いで明里に会いにいくその電車のスピード、貴樹が明里に近づいていく物理的、心理的スピードを描いていて、第2話では花苗が貴樹との心の距離を自覚してしまうだけの話だし、第3話は逆に貴樹が明里との心の距離を自覚する、それだけの話と言ってしまえると思うんです。アニメーションなんだけれど他に何の要素も入れず、シンプルなんだけど逆に力強い作品にしたいという気持ちを込めて速度だけを表す『秒速5センチメートル』というタイトルをつけました。』

これを読む限り新海さんは誰にでもあり得る人、物、出来事との距離を表したかったんじゃないかと思います。『雲の向こう、約束の場所』や『ほしのこえ』でも主人公とヒロインの間には距離がありました、『夢と現実』、『宇宙と地球』、それらは人間の力じゃどうしようもない距離でしたよね。でも秒速の世界ではでは人間の努力次第ではなんとでもなる距離ですよね、でもなぜか遠く感じてなかなか縮めることができない、私たちが現実世界でのあるあるをうまく描いてると思います。恋愛だけに限らず、例えば目の前にいるのになぜか一言『ごめんね』が言えない。そのたった一言で縮められる距離をもっと遠ざけてしまう。

これって見方によれば人間の心や意志の『弱さ』を表現してるのじゃないかと思います。冷静に考えればどうでもいいプライド、見栄、こだわり、一時的な不安や恐怖などに人は左右されます、でも後になってどうでも良かったことに気づいて後悔します。”次からはちゃんとしよう”と思ってもなぜか同じ失敗を繰り返す、これは恋愛を含め多くのことに言えるんじゃないかと思います。振られるのが怖くて言えなかった『好きという言葉』、でも後になって言わなかったことを後悔する、そんな甘酸っぱい思い出を秒速は思い出させる作品だと思います。

最後に、秒速5センチというスピードが早いか遅いか?私は両方だと思います。短い距離である”5センチ”をとてつもなく早い光の単位である”秒速”で表す、なにか大事なことに近づくときはたった5センチずつしか縮まらないぐらい遅く、逆に遠ざかるときは光のように早い、でも確実に言えること、時は常に『秒速5センチメートル』で進んでいる。


(追伸)
『第一話で言えば貴樹が明里に会いにいく電車のスピードだったり、手紙が届くスピードであったり、メールが届くスピード』って言ってたけど二人はメールはしてないぞ!?

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